第10回 いますぐここで「お墓参りアプリ」を提案

INTERVIEW

2020.06.11

したくてもできないお墓参り

地方出身者にとって、田舎のお墓はあまりにも遠い。お墓参りに時間を取ることは難しい。 手元のiPhoneで、いつでもどこでもお墓参りをすることを可能にしたアプリ「BOSAN」を開発したのは、デザイン会社ナレジックス株式会社(東京都品川区、田村進一郎代表)。 家族に限らず恩師や友人なども含めた故人を複数登録。ペットを登録する人もいる。顔写真や姓名、戒名、宗派、寺名、生没年、思い出などを入力し、アプリ上のお墓(実際の墓標写真も登録可能)を呼び出す。お清め水や献花、供物、焼香で供養ができる。風になびく葉音や蝉、鐘、鳥、清流の背景音などが、臨場感を掻き立てる。

きっかけは従業員の姿

アプリ開発のきっかけは、母親を亡くした従業員がスマホで撮影した写真を遺影とし、毎日、お参りをしていたこと。実家から遠く離れた東京で働き、死に目に会えなかったばかりか、墓参りに帰ることもできない。 故人を想う心こそが大切なのにもかかわらず、お墓に行かなければ墓参りをしたことにならないのは、おかしいのではないか。 いつでもどこでもお墓参りができるアプリはできないか。 開発には、海外にある母のお墓参りになかなか行けず悩んでいた者も参加した。

反響は

「アプリで墓参りとは罰当たりで不謹慎」 2009年の発表直後は1日約500件以上も、ツイッターなどで叩かれた。 「実際のお墓にお参りすることは非常に大切。BOSANも現地のお墓に行って写真を撮影してもらい、地図情報を記憶させることを想定しています。お盆や命日に墓参りをしたうえで、さらに毎日でもお参りをしたい人には、BOSANを上手に補完的に利用してもらえるのでは」(田村代表) ダウンロード数でいえば勢いには欠けるものの、ユーザーの反応はまずまずだ。 「日常的に使っていて役に立っている」など、高齢者からは直接、好意的な反応を得ている。 何回忌毎のアラーム設定を入れて欲しいなどの要望も受けた。 仏壇業者やアプリ製作会社からは、オリジナルの墓参アプリ開発協力を持ちかけられることもある。

故人との思い出を携帯

故人との思い出を大切にする気持ちを、お墓から遠く離れた場所でも、BOSANがすくい取ってくれていることは確かだ。


iPhone専用で1ダウンロード240円。
BOSAN

ナレジックス株式会社

代表 田村進一郎

聞き手

弁護士・税理士 長谷川 裕雅

ナレジックス株式会社

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