第8回 デジタルエンディングノート「終活アプリ」を提案

INTERVIEW

2020.06.11

アプリ版は作製後の状況にも対応

デジタル化が進む中、エンディングノートもアプリになった。しかも単に電子化しただけではなく、アプリならではの特性を生かし、生前の見守り機能や相続発生後の通知機能などを搭載し、作製後の状況に対応できるエンディングノートになっている。

見守り、通知する

iphone用の遺産受け継ぎアプリ「ウケツグ」を開発したのはAmazingLife株式会社(東京都武蔵野市、篠原豊代表)。 ウケツグでは、銀行口座や不動産、クレジットカードや借金、ヘソクリ、パスワードなどあらゆる資産をメモと共に暗号化して保存することができる。60秒間でビデオメッセージを遺すことも可能だ。 毎週、設定した日時に表示される通知メッセージを開くことで、運営会社に無事を知らせる。利用者からの通知が3週間途絶えた場合には緊急事態とみなし、各財産別に指定した承継者に対して、運営会社からSMSで通知をする。受信した承継者が本人確認として、利用者の死亡を公的に証明する書類と、承継者自身の写真付き身分証明書をアップロードすることで、承継財産の具体的内容が開示される仕組みだ。 アプリのダウンロードは数百程度だが、継続的に利用されているという。

自分の相続での苦労がきっかけ

「自身の死後の資産整理の必要性を感じてアプリを開発した」(篠原代表) 母親の遺産整理に7か月を要した。証券会社からの連絡で初めて、株を保有していたことを知ったという。「高額・アナログ・情報不足」のライフエンディング業界に新風を吹き込むIT業界出身の篠原代表。病院で看取った際、パソコンが使えずにスマホで情報を集めた経験から、スマホサイトでのサービスに重点を置く。 ウケツグの利用者はスマホ利用者に対するSMSによるサービスということもあって、40~50代の若いサラリーマンが中心。 「毎週の通知メッセージは見守りとしてだけではなく、相続や葬儀などの情報提供をする機会としても活用したい」(同)

高齢者には通話によるサービス

高齢者にはSMSではなく、通話によるサービスを2015年8月にリリースした。独居老人のための安心見守り・看取りサービス「よりそい」では、利用者は携帯電話を利用して、健康状態の報告や悩み相談、買い物代行などの依頼ができる。「孤独死して迷惑をかけたくない」というニーズに応え、葬儀やお墓の手配、死後事務手続き代行サービスも提供。通知先を登録しておけば、訃報をメールで伝える。 篠原氏の目標は「アプリで終活を啓蒙すること」。既存業界を整理縮小しシンプルにする篠原氏が、新しい葬儀ビジネスを生み出している。

AmazingLife株式会社

代表取締役CEO 篠原豊

聞き手

弁護士・税理士 長谷川 裕雅

AmazingLife株式会社

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